不妊と漢方 オ血と 桂枝茯苓丸
不妊、生理不順の漢方 桂枝茯苓丸
中医学的解説
組成:桂枝、茯苓、牡丹皮、桃仁、赤芍 各9g
用法:水煎服、粉末を蜜丸にし一日3−6gを服用しても良い
効能:活血化オ、緩消膓塊
主治:血オ、膓塊
下腹部の腫瘤、圧痛、腹のひきつり、脈が渋、あるいは不正性器出血・月経痛・無月経、あるいは難産・胎盤残留・悪露停滞など
病機:
血オあるいは胞宮での留帯である。血オが長期にわたり、気・津液の流通を阻帯すると、気滞・血オ・湿滞痰凝などにより膓塊(筋腫などの腹腔内腫瘤)を形成し、圧痛、・ひきつりをともなう。血脈がオ滞し、経行がオ阻されると「通ぜざればすなわち痛む」で痛経(月経痛)が、経血が下行できなくなると経閉(無月経)が、血が経から溢出すると崩漏(不正性器出血)が生じる。
血脈が渋滞するので、脈は渋を呈する。難産、胎盤残留、死胎残留、悪露手痛いなどは、いづれも胞宮内での留滞であり、お滞と同類である。
方位:活血化オにより膓塊を緩徐に消退させる。
辛温の桂枝は血脈を温痛して血オ・水湿を行らせ、淡滲の茯苓は湿滞を下行させる。活血化オの牡丹皮・赤芍・桃仁は、オ血を除くとともにオ熱を清する。全体でオ血・湿滞を除き血客を通利し、膓塊を緩消する。血オによる月経異常・胞宮内留滞に対しても、活血化オ・通滞によって、効果をあらわす。
参考:
1金キ要略には「婦人もと膓病あり、経断ちいまだ三月に及ばずして、漏下を得て止まず、胎動き臍上にあるは、膓固の害たり。妊娠6月に動くは、前三月経水利するときは、胎なり、下血は後断つも三月なるは、ハイなり、血止まざるゆえんは、その膓去らざるがゆえなり、まさにその膓を下すべし、桂枝茯苓丸これを主どる」とある。
無月経になって三ケ月にならないのに性器出血(漏)を生じ、臍上に動きを感じるのは、妊娠(三ヶ月では出血はなく、胎動があっても下腹部である)ではなくて、膓固(腹腔内腫瘤)のためである。胎動を感じる時期以前の六ヶ月間で、前の三ヶ月は不正性器出血(下血)があって無月経になった場合は膓固(ハイ)である。膓が有る為に下血が止まないのであるから、膓を下すべきであり、桂枝茯苓丸を用いる。すなわち、本方は膓固に対してつくられた処方であり、蜜丸にするのは緩徐に消退させるのが目的である。
2、本方は後生に応用範囲が広げられている。
<婦人良法>では、本方を増量して奪命丸と称し、小産(早産)の子死腹中で「胎上り心をつき、悶絶して死に到らんとし、冷や汗自と出で、気促し喘満するもの」に使用している。
<済陰綱目>では、本方を湯剤にして催生湯と名づけ、出産時の催生力を増強させるのに用いている。
このほか一般に、血オによる月経不順・月経痛・無月経あるいは産後の悪露不尽による腹痛拒按などにも使用されるようになった。
3、日本の経験方に桂枝茯苓丸加ヨクイニンがり、ヨクイニンの持つ清熱解毒・排膿・利水・浸湿・治イボなどの効能が加わっている。
